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増えるサービス残業の現状

看護師や介護士の世界でも残業に関する問題がある。現状、看護師に2014年日本医療労働組合連合会が行ったアンケートで看護師の9割が残業をしているという実態が明らかになった。しかも、そのうち残業代の未払いは3分の2もあり大きな問題である。介護士も年間の残業時間が過労死ラインを超えている人が多く、問題である。

看護師や介護士の残業問題として特徴的なのが、働いている場所によって大きな違いがある点である。残業の多い看護師の多くが大型の病院に勤務しており、24時間体制で患者さんの受け入れをしている。介護士も特別養護老人ホームに代表される24時間管理型の老人ホームに勤務している人が多い。こうした勤務場所では、人手不足が問題となっており、人手が足らないので他の人に負担が行き、結果的に残業が増えるという悪循環に陥っている。したがって、残業を減らしていくためには、人員の増加をしなければいけないという大きな課題がある。

行政側もこのような事態を重く見ており、改善に向けた取組が行われている。介護士や看護師も組合を作り、事業者との交渉を行いながら現状を改善しようとする動きがある。一番の問題点は、看護、介護共に需要が大きくなっているにもかかわらず、なり手が不足している点である。どちらも国家資格が必要な分野であり、なり手を育てるためにも教育をする時間が必要になる。現在働いている人の残業を減らすためにも、介護、看護に従事する人の増加と待遇の改善が求められている。